学生との集会の中で「貧困のため結婚できないでいる若者が増え、そのことが少子化に繋がっているのではないか」てな趣旨の質問を受けた麻生太郎は「金がねえなら結婚しないほうがいい。金があっても結婚しない人もいるから、人それぞれ」と言うような変な回答をしたとの報道。
質問に無関係な回答をしている間抜けっぷりはひとまず置いといて、この回答で麻生が示した意志は次のようになるだろう。
金がないのに結婚しないほうがいい
これは一般常識化している現代人の共通認識。昔よりその認識は強まっているのかもしれない。昔は貧乏でも結婚していた人は沢山いたからだ。
「金がなくて結婚出来ない」という若者が沢山いるから、そのことが少子化に繋がっているのでは、という質問の中にこの認識はすでに含まれている。質問に含まれている認識を蒸し返しているだけで、したがってこの言葉には意味がない。
貧困による未婚を世間と同じ程度に肯定していることからして、問題意識もなく、それに対する政策を行う気もないということが伺える。
金があっても結婚しない人もいる
「貧困で結婚できない」に対して「金持ちなら結婚しているというわけでもない」という反証を上げて相対化しようとしているが、これが無意味な反証であることは誰にもわかる。貧困者には選択肢がないからだ。
てめえが何歳で結婚したかなど誰も聞いていないのである。
この言葉は、麻生太郎が貧困問題を過小評価している証拠として言質を取っといていい。
結婚するかどうかは人それぞれ
当たり前だ。
以上から、
「貧困による未婚」の問題は存在しない、というのが麻生の認識と見て取れる。
また、金持ちと貧乏人を相対化していることから、貧困問題そのものを認識していないことも読み取れる。
であるからして、質問の最も重要な部分である少子化と貧困の因果関係について、麻生の見解は「無関係」ということになる。
つまりこういうことだ。
結婚の問題は人それぞれのどうでもいい問題である
貧困と未婚率には何の関係もない
貧困の問題などない
したがって貧困と少子化には何の関係もない
そもそも少子化に問題などない
問題のないことに対する政策などない
これは何やらきれい事を述べていた自民党のマニフェストとは全く異なる見解で、党首自らが選挙期間中に自党のマニフェストの一部を否定したことに他ならない。
もっとも、自民党はすでに「公約を守らないくらい大した問題じゃない」と公式に表明しているからこの件では誰も突っ込んではいけないのかもしれない。
ここまでは、麻生太郎が党首・総理として、上手くはぐらかしながらも真意を述べているという前提に立った推測で、おなじみの技法を分析してみただけですが、
もしかしたら別の真実があるのかもしれない。
それは質問を理解していないということだ。
何を聞かれたか全く理解できず、学生の一人が結婚相談でもしてきたのかな、なんて思い込んで回答したという説だ。
こちらが正しい分析だとすれば、麻生太郎の脳味噌は(以下の5行をを省略します)