UNDERPASS -Alternative potluck Art Fair-
2003・3/18・19 at MOTHER HALL
アートとライブを融合させたこのイベントは「IMIフェスティバル2003」と称した大規模な企画 (「未来づくり」への積極的な参加と各個人の未来に対する責任の保持を人々に訴えるべく「未来せんきょ」とのスローガンを掲げて2003年3月1日から23日にかけて、京阪神各地において様々なジャンルのアーティスト達が参加して行われた) の一環として2日間に渡って催された。
2千人をも収容可能なマルチスペースと充実した音響、照明設備を誇るMOTHER HALLにおいての、新鋭アーティストやクリエーター達の素晴らしい競合を体験できるイベントであった。
電子機器等を用いての金谷コウジの実験的オブジェ、長瀬久典のインスタレーション、山本精一のペインティングとオブジェ、チルドレンクーデターのバンマスでもあるホソイヒサトのCG作品と会場4箇所に設置されたモニターでのCGムービーの上映、大野雅彦のオブジェ、南奈津子のペインティング、故宇加地洋平のはかなくも美しいエッチングと、展示されたアート作品だけでも充分見ごたえがありちょっとした展覧会のようである。
出演アーティストは元ヒカシューの巻上公一によるボイスパフォーマンス~テルミンの演奏と声とを見事にシンクロさせた芸当ともいえるもの、またホーミーを思わせるような口琴(というらしい)~や、関西の老舗メタフリーキーバンド、チルドレンクーデターVer.Boo、力強く心に気持ちよくひびいてくるピアノとバイオリンのインプロビゼーションのユニットのTHIS=MISA×SAIKOU、
映像と音楽を見事ユニークにマッチさせたナスカカー、会場中を揺るがす音、音、音、の襲来が神経を麻痺させ次第に心地良くさえ感じさせるギターノイズユニットSolmania、ターンテーブルのノイズユニットBusRatch、(本来2人ユニットだがこの日は残念ながら1人での参加)PLACK SLAG、逆に総勢約13人(ステージに充満したスモークのためはっきりした人数はわからなかった)という異色のバンドevillive、コクトーツインズを彷佛とさせるTERESA11、80年代ニューウェイブとクラブ系の音を融合させたような今風だがどこか懐かしいサウンドのDEEPSEA DRIVE MACHINEといった、新旧取り混ぜてのめったにないであろうブッキングであった。
個人的にはTHISのような未だ知らなかった素晴らしい音楽との出会いや、新しいクリエーションの息吹きの体感や発見もあり大変満足できたのであるが、これだけの充実した内容で採算を度外視したような安すぎる入場料であるにもかかわらず、ほとんど動員がはかれなかったことで、主催者側の主旨である新鋭アーティスト達の紹介と新しい創造への芽吹きを生むことへの提唱を充分には成し得なかったことが残念でたまらない。
2003年4月5日 Nappa記
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